<両軍スタメン>
- ベンチメンバーはFIFA公式サイトを参照の事。

- 前回のW杯の記事(準決勝・イングランドvsアルゼンチン、1-2)
とうとう迎えた決勝戦。
前日に行われた3位決定戦(フランスvsイングランド、4-6)がとんでもない撃ち合いとなった事もあり、それを反面教師としながら……という緊迫感ある展開を期待したくなる一日に。
- スペインの前試合の記事(フランス戦、2-0)
勝ち上がってきたスペインとアルゼンチン、その内容はともに説明不要であり。
確固たるサッカースタイルを、最早チーム全体で信仰すると言っても良いスペイン。
絶対的な中心選手・メッシを、祀り上げるかのように振る舞いながら進軍するアルゼンチン。
対照的ながら、一種の信仰心を伴いながらこの舞台まで進むに至りました。
果たしてどちらのそれが上回るか、という試合が幕を開け。
アルゼンチンは前試合の途中からシフトした、フェルナンデス・マックアリスターをドイスボランチとしての4-4-2で挑み。
決勝戦故に、流石のメッシも守備参加無しという訳にはいかず……という事で、相方のサポートを得やすい2トップを選択した結果こうなったでしょうか。
それでもメッシが守備でやる事は非常にシンプルで、マッチアップするラポルテが持つのに対し、アンカーを切りながらのプレッシャーという一点のみ。
彼の制限を下に、アルバレスはじめ周囲の選手が走り回り、スペインの激烈なボール保持を乱す事を試みた立ち上がりのアルゼンチン。
しかしスペインのスタイルを崩すのは容易で無い事は火を見るよりも明らかで、前半5分ファーストシュートに辿り着き。
センターバックのクバルシがしっかりと(ダニ・オルモへ)縦パスを通す、如何にもスペインらしい絵図から、右ワイドの武器であるヤマルが持つ状況に。
ここからサイドチェンジのボールを送らんとし、ブロックに阻まれるもこれがエリア内へこぼれ、オルモのリターンからポケット奥へ切り込んだヤマルのシュート。
GKエミリアーノ・マルティネス(以下Eマルティネス)がセーブし、まずは先制攻撃に成功、と息をつく暇も無く。
直後のアルゼンチンの保持をハイプレスで奪い、カットしたロドリがそのまま前進、そしてエリア内へのラストパスに走り込んだヤマルがシュート。(ブロック)
この日もゲーム支配が完遂される予感を膨らませるスペイン。
対するアルゼンチンはその直後、自陣でパスカットしたアルバレスからのスルーパスにメッシが走り込むという好機。(GKシモンが前に出てクリア)
早速「神の子」への信仰心を発揮させにいきましたが、同時に「スペインの激烈なポゼッションに対し、我慢を重ねたうえでカウンター一本で仕留める」という、弱気ともとられかねない戦術が定着してしまうか否かの戦いに突入したでしょうか。
7分のスペインの攻撃、最終ラインでサイドを揺さぶり、アルゼンチンのプレッシングを呼び込んだタイミングで再びクバルシがオヤルサバルへと当てるパスで前進開始。
一旦はロドリからボールをこぼすも攻めは継続し、ポロがオヤルサバルとのワンツーで一気にエリア内を狙いに掛かり。
この抜け出しに対しマックアリスターが倒してしまい、反則無しに終わるも、激しいパスサッカーを反則混じりで止めるしかないという色合いも濃くなり。
相手の攻め手が緩まないなか、16分に反撃機会を得たアルゼンチンは逆に、敵陣浅めでボールを持ったメッシが(バエナに)反則を受け。
かなり距離がある位置ですが、このフリーキックで放り込みを選択(キッカーはデパウル)と、Jリーグにおけるパワーサッカーのスタイルのような立ち回りも見え隠れします。
この時点でカウンター狙いへの定着には黄信号といった所で、アルゼンチンの主体的な攻撃、つまり地上での組み立ても次第に苦難の色に呑まれ。
的確に掛けて来るスペインのプレッシングにより、前進の導線は最後方からのロングパス頼みとなり。
それもターゲットがほぼ居ないという状況なので、左のゴンサレスに走り込ませた所に当てる変化を交える苦境であり、最早王手といった所でしょうか。
それでもメッシの存在を組み込んだ前線守備により、元々の信仰心を一層高める事で全体の守備強度も高まったか。
スコアレスを維持したまま、ハイドレーションブレイクが挟まれます。(25分)
始まった第2クォーター、スペインはややペースダウンというような絵面で、無理な前進は選ばず。
2CBもプレッシャーを受ける事で、ロングボールを送る回数も増え始め。
試合局面はさして変わらず、スペインのそんな意識により様子見ならびに小規模の攻防の繰り返しという状態に
31分にスペインが自陣からの右スローインで、ラフなサイドチェンジによりポゼッションに入らんとするもやや乱れ、モンティエルのプレッシャーを受けたククレジャは浮き球をヘッドでGKへ戻し。
するとGKシモンがすかさずのスローでモンティエルの背後を突いて前進に入り。(敵陣でサイドを移すも、ヤマル→オルモへのスルーパスは繋がらず)
こうした局地戦での誤りが全体に波及するという恐れは、依然アルゼンチンの方が高く。
33分逆に最終ラインからポゼッションの体勢に入ったアルゼンチンは、左ワイドからの前進を選択(というか、スペインのプレスの掛け方によりこの方法しか無い感じ)し、ライン際でのタグリアフィコのパスがヤマルを掠め。
そのままラインアウトかと思われましたが、見送ると見せかけたマックアリスターがドリブルに入るマリーシアにより突破成功し、ロドリの反則で止められるという攻防。
苦境では小細工にも頼りたくなる、と言った一幕で、カウンター一辺倒への移行を瀬戸際で粘るような状況に。
するとスペインは37分、最終ラインからロングボールを送ると、それを回収したアルゼンチンに対しゲーゲンプレス。
「ストーミング」のような絵面によりオルモがフェルナンデスから奪取すると、彼のパスを受けるククレジャがトラップからのターンで一気にモンティエルを剥がしに掛かり。
これをモンティエルがスライディングで際どく阻止と、激しい上下動によるディフェンスの負担も相当なものに。
39分にはついに決定機を浴び、それも中央からのパスワークで崩しを受ける事態で、バエナの1タッチパスをスルーしたオルモによりペナルティアークで待ち構えるオヤルサバル。
そしてシュートが放たれますがGK・Eマルティネスがキャッチし防ぎ、守護神が立ちはだかる事で何とか秩序を保つというアルゼンチン。
頼みのメッシにもボールが渡る機会は極少とあっては、こうなるのも仕方無く。
しかしそうした粘りがアクシデントへと繋がってしまい、43分にCBのリサンドロ・マルティネスが脚を痛めて続行不可能に。
早くもカード消費を強いられる事となり、オタメンディ(19番)の投入ですかさず補填に掛かります。
後方の不安が拭えない中、「攻撃は最大の……」と言わんばかりに残り時間で攻撃機会を増やすアルゼンチン。
メッシに頼らず右サイドを前進し(アディショナルタイム)、デパウルを軸にしたパスワークから、エリア目前でメッシにパスを送りますがカットされ繋がらず。
メッシと最も親しいという存在のデパウルでも、この局面を打開するのは困難だったでしょうか。
そのままスコアレスで前半終了となりましたが、アルゼンチンはここまでシュートゼロと数字上でも苦しさは明らかであり。
既に1人交代を強いられていますが、このハーフタイムでも動くリオネル・スカローニ監督。
ゴンサレス→パレデス(5番)と交代し、従来のスタイルであるアンカーシステムの体制を取ります。(パレデスがアンカーのダイヤモンド型4-4-2)
そして始まった後半。
スペインのキックオフで始まり、当然の如く直後からポゼッションに入ったものの、ハイプレスにより10秒ほどでそれを終わらせる事に成功。
交代の効果か、積極性を高める事で展開を変えに掛かったアルゼンチン。
後半2分、そのハイプレスにより蹴らせたGKシモンのフィードを回収、そこから敵陣でボール保持の体勢に入り。
最後方に戻して攻め直しに掛かると、パレデスを中心に右サイドでパスワークで突破(奥へのスルーパスに走り込んだモンティエルによりコーナーに)と、駒変更による攻撃の質向上も見られ始め。
前半とは一変したアルゼンチン、という評価もしたくなる展開ですが、それをザックリ寸断しかねない事態が発生してしまい。
6分、落ち着かせようと最終ラインから保持に入ったスペインですが、そのパスワークを他所にロドリを倒してしまったパレデスにより反則。
その「悪意の肘」と言いたくなるような絵面により、両軍入り乱れてヒートアップという状態に陥らせてしまいます。
そしてその中で、さらにオルモを押し倒してしまう醜態を見せてしまうパレデス、これによりカード掲示は不可避となってしまい警告を受け。
前半から何度か見せていたマリーシアの気質も、一度ズレてしまえばこうした結果になり。
これにより気運低下は避けられず、以降必死に掛けるプレッシングも機能不全となるアルゼンチン。
フィニッシュこそ浴びないものの何度もボックス内を突かれ、10分には中央からオヤルサバルがルイスのレイオフによりシュートチャンス。(反応が遅れ撃てず)
11分には再びクバルシが絶妙なパス出し、ポケットへ送られるスルーパスに走り込んだオルモがマイナスのクロス。
これを左サイドバックのククレジャが中央で合わせにいく決定機、その手前でモンティエルが何とかクリア、という具合。
負担増による疲労も考慮してか、早めの動きを強いられるアルゼンチンベンチ。
13分にモンティエル→モリーナ(26番)へ交代と、早くも残り交代回数は1度に。
すっかり専守の体制となるのは避けられないアルゼンチン、次第に最前線にメッシを残し残り全員で守るという絵図に。
それでもスペインの攻撃は止められず、15分にはエリアから近い所で警告付きのパレデスが反則と、更なるカードトラブルならびに数的不利の危機とも戦わなければならず。
これによる右ハーフレーンからの直接FK、キッカー・ヤマルが直接シュートを狙いましたが壁を直撃し実らず。
その後、17分にスペインベンチも動き、ルイス・オヤルサバル→ペドリ(20番)・トーレス(7番)へと2枚替え。
以降も、重ねられるスペインのパスワークに対し、反則で止める色合いが濃くなっていくアルゼンチンディフェンス。
その一方でヤマルの突破に対しては、倒されても反則無しに終わる事が目立ち、それによる苛立ちの可視も見られ。
これと、攻め続けながらもゴールを割れない事で、スペインサイドも胃の痛くなる展開を強いられていたでしょうか。
19分に左からペドリが斜めに切り込み、ロメロに倒されながらも出したパスからオルモがミドルシュート。(GK・Eマルティネスセーブ)
21分にはCKからの二次攻撃でヤマルが突破を仕掛け、阻まれるもポケット奥へこぼれたボールに追い付いてクロスを入れるヤマル。
これをトーレスがヘディングシュート(GK・Eマルティネスキャッチ)と、怒涛の攻撃も守護神の粉砕は果たせません。
しかし22分、CKでのスペインの攻めが終了した所で、アルゼンチンはロメロが脚を痛めてしまい倒れ込み。
その事態を受け、審判団も間髪入れずハイドレーションブレイクを挟む事に。
スタメンCBが2人ともアクシデントと、重苦しい雰囲気がさらに高まるアルゼンチン。
結局そのまま交代となってしまい、明ける際に2枚替えを敢行(ロメロ・デパウル→メディナ(25番)・シメオネ(17番))した事でカードを使いきります。
始まった第4クォーター、最初の好機はアルゼンチン(28分)で、それもGK・Eマルティネスから地上での組み立て。
相手のお株を奪うような入りで、その後敵陣進入→戻して作り直しと、続く専守と度重なるアクシデントもありまずはポゼッションを高めると言った内容に。
その後長い繋ぎの末に、メッシのスルーパスで右奥を取ったシメオネ(その後グラウンダーでクロス)と、形は作られましたが依然としてシュートは放てないままであり。
これを受けたスペイン、30分に再びベンチが動きオルモ・バエナ→メリノ(6番)・ウィリアムズ(17番)へと2枚替え。
カードの切り方もこれまでの戦い方と同様であり、醸し出される盤石感を先制への道にせんとします。
するとその初手、再びパレデスの反則(31分、空中戦でフリックするメリノを後ろからチャージ)から、幕を開けるスペインの猛攻。
続く32分に長い敵陣でのパスワークから、左サイドでカットインするペドリがパス交換を経て中央突破に入り。
ペナルティアークからシュートを放ちますが、ここも後ろからアルバレスのチャージを受けながらとなり、威力に欠けた結果GK・Eマルティネスに防がれ。
反則混じりのようなアルゼンチンの必死の凌ぎも、時間が進むにつれてスコアレスに終わるプレッシャーとなってスペインに襲い掛かり。
既にカウンター一辺倒への突入は決定的となるなか、どんな形でも勝利に向かうのみという戦いに。
そんな見出したアルゼンチンの勝ち筋も、思うようにいくとは限らないのがサッカーであり。
37分ついにカウンターの機会が訪れましたが、自陣から抜け出さんとしたフェルナンデスが倒されるも反則の笛は鳴らず。
するとこれに激昂したフェルナンデスが異議により警告と、専守による我慢の噴出が別の方向に出てしまう事となり。
そのまま終盤を迎え、スペインの攻撃はさらに苛烈なものとなり。
カウンターの導線となるべくのメッシも、自陣で守備に奔走する場面を目立たせるなど、危機を前にしたチームの色合いが濃くなっていき。
その存在もありシュートを撃たせずに断ち切るアルゼンチンも、その後のスペインのゲーゲンプレスを前にしては、奪われand回収されて連続攻撃を浴びるのみとなってしまいます。
44分ウィリアムズの左奥からの突破を阻むも、その後最奥でのキープを強いられたモリーナが、タッチに逃げるのみとなってしまった場面はその象徴であり。
しかしどうしても1点が欲しいスペインも、アルゼンチンの粘りに屈しかねない場面が表れ始め。
突入したAT、GK・Eマルティネスが素直に選択したロングフィードから、セカンドを拾いポゼッションに持ち込んだアルゼンチン。
縦パスを受けたメッシが前進し、シメオネに繋いだ所ラポルテにアフターチャージを受けて反則となり、一矢を放つチャンスであるセットプレー(右ワイドからのFK)に持ち込みます。
これを放り込みでは無く、パス交換から自身でのキープを選んだキッカー・メッシ。
その突破は阻まれるも二次攻撃を発生させ、右ポケットへのスルーパスに走り込んだシメオネがグラウンダーでゴールへ向かうクロスを送り。
しかしGKシモンは落ち着いてキャッチするとすかさずカウンターに持ち込み、スローを受けたポロ縦パス→ウィリアムズドリブルと一気に直進しての好機。
そしてエリア内でシュートしたウィリアムズでしたが、これもGK・Eマルティネスがセーブとどうしても最後の牙城を崩せません。
しかし、最終盤で好機に持ち込めるようになったアルゼンチンは、ここで攻めっ気を噴出した結果大被害を齎してしまい。
カウンターに持ち込まんとするも、阻んだスペインが最終ラインに戻した所、それにプレッシャーを掛けたフェルナンデスがクバルシへのアフターチャージにより反則。
宙を返る程の勢いで倒れてしまうクバルシの絵図に、カードは不可避なものとなってしまい、これで2枚目で退場処分となるフェルナンデス。
この局面で数的不利の戦いへと突入してしまいます。
同数でもひたすらボールを持たれる状態なのに、10人になってしまったら……という危機に顔色を変えざるを得ないアルゼンチン。
残り時間は極少ですが、やはりスペインの猛攻は続き、アルゼンチンはひたすらその回数を減らすべくの立ち回りを余儀なくされ。
それを果たすべくのメッシへの(タグリアフィコの)パスがカットされた所から、エリアすぐ手前まで持ち込まれた末に、トーレスに対しパレデスが反則。
これにより直接FKに持ち込んだスペイン、入念な調整の末に放たれたキッカー・ヤマルの直接シュート。
これが壁を越えてゴール右を襲いますが、やはりGK・Eマルティネスのセーブに阻まれ。
結局最後までゴールが生まれない中、タイムアップを告げる笛が吹かれ。
緊迫の展開は、後30分延長される運びとなりました。
ひたすら続いた専守、ならびに数的不利のアルゼンチンにとって、交代カードが追加されるのは干天の慈雨であり。
しかしそれは直ぐには使わず、そのまま延長戦の勝負へと入る事となり。
一方、回数を1つ残していたスペインもここでの交代は無く。
そして幕を開けた延長前半。(以下延前)
アルゼンチンは予想通り、メッシを1トップとした4-4-1の布陣で、ひたすらアタッキングサードでスペインの猛攻を凌ぐ体勢に。
一方それに対しスペインは、焦れずにいつも通りのスタイルを貫き通せるかという所。
それでも、既に体力消耗を隠せないアルゼンチンに対し、素直にクロスを入れる攻めが増えていくスペイン。
延前3分にペドリがエリア手前でカットインの姿勢から上げたクロスに、入り込んだウィリアムズがフリック気味にヘディングシュート。(GK・Eマルティネスセーブ)
パワーでの決壊も訳は無いという体制で、様々な手法を混ぜ合わせ。
そして6分、右ワイドからポロが中央へ縦パスを打ち込むと、トーレスのフリックでエリア内へ流したボールを受けたメリノ。
反転しながらのシュートはGK・Eマルティネスに止められるも、こぼれ球をウィリアムズが詰めてついにゴールネットを揺らす事に成功します。
しかしその前の、メリノの反転の際にオタメンディを倒した行為が反則を取られてしまい、先制点はお預けに。
土壇場でのノーゴールに、攻め続けながらも焦燥感を高めかねないスペイン。
一方、この際に脚を痛めてしまったGK・Eマルティネスにより、暫くブレイクとなる試合絵図。
そしてスペインサイドは交代を選択、それも残っていた2枚を全て使いきり。
しかもラポルテとロドリと一見替えの利かない存在に代え、エリック・ガルシア(4番)とスビメンディ(18番)と、今大会初出場となる選手の投入に踏みきりました。
そして試合が再開すると、その不安視を他所に尚も攻撃権を支配するスペイン。
ひたすらワイドを突かれるその攻撃により、アルゼンチンベンチも動きを強いられる事に。
12分、アルバレス→セネシ(2番)へと交代し、そのセネシが中央CBに入る3バックに。
つまりは5バックシステムへの移行(5-3-1)であり、布陣的にも完全なカウンター狙いとなります。
しかし相手のクロス攻勢に対し5バックでの守備が慰めにすらならないのは、今大会の日本・イングランドの姿からしても明らかであり。
それでもヤマル・ウィリアムズのカットインだけは避けたいという思いが先に立ったでしょうか。
かくして、前試合でイングランドに押し付けた体勢を、自らも実行に至ったアルゼンチン。
中央を固くするアルゼンチン、13分に左からウィリアムズがカットイン、そして強引に放ってきたミドルシュートをブロックしたパレデス。
するとそのボールを繋いでカウンターに突入し、縦パスを受けたメッシが巧みにボールキープ、クバルシを剥がした末に裏へ浮き球を送り。
そしてシメオネが走り込み、ついに結実するかと思われましたが、競争相手のククレジャに倒された事で繋がらず。
反則無しというジャッジにアルゼンチンサイドは激昂し、これにより異議で警告を受けてしまうスカローニ監督。
選手のみならず、自身も泥をかぶる事を選択したような姿を見せ、最終局面に挑む事となったでしょうか。
そのままゴールは生まれず延前は終了し、とうとう延長後半(以下延後)のみとなる残り時間。
なお未だにアルゼンチンのシュートゼロは継続されており、このまま「どれだけ撃たれても倒れない」様相を保てるか否かという15分に。
しかしそれが見どころとなった直後の延後1分、スペインが初手で試合を動かし。
5バックの攻略法に従うように、右奥を突かんとしたヤマルがバックパス→ポロの手前からのクロス、これにファーサイド奥で走り込むウィリアムズ。
そしてその落としが誰も居ない所にこぼれると、走り込んだトーレスが持ち込んだシュートがゴールへと突き刺さります。
苦労の果てにもぎ取った先制点に、コーナーフラッグを折るほどに興奮したトーレスを中心に歓喜の輪が出来上がるスペイン。
一方とうとう力尽きたと言うようなアルゼンチン。
それでも諦めは許されず、すぐにファイティングポーズを取り直し。
しかし数的不利なうえに、タグリアフィコまで脚を痛める事態が発生と、既にまともに戦える状態では無く。
ターゲットタイプのFWも不在ななか、オタメンディが最前線に上がる事でそれを果たさんとします。
そうして放り込みの体制、即ちパワープレイに持ち込む事で、何とか決壊を図った残り時間。
中盤の位置からのFKでも全て放り込みを選択と、形振り構わずという意識を最大限に強め。
8分にスペインが持ち込んだカウンターで、ヤマルのスルーパスに抜け出したトーレスがGKと一対一に持ち込み、そのEマルティネスの右を破るシュートでネットを揺らし。
しかしオフサイドで無効とされ、更なる失点だけは回避というアルゼンチンでしたが、そうした後方はある程度放置してでもゴールに向かわなければならず。
この危機で頼りにしたいのはやはりメッシであり、10分に右ワイドでのボールキープでペドリを剥がして好機を演出(右奥へ持ち込みCK獲得)するなど、最後までその技術を如何なく発揮。
そして15分に決定機を迎え、中盤からのFKで放り込み……と見せかけ、メッシはワンツーでの前進を選んだ末に右ポケットへスルーパス。
走り込んだシメオネが決定的なクロスを送り、跳び込んだセネシが脚から跳び込みましたが、その手前で遮断され惜しくも撃てません。
その他、スコアが動いてからシュート3本を記録したアルゼンチンでしたが、今一歩届かないゴール。
目安5分となったATで、パスワークでの時間稼ぎも見せたスペイン。
メッシにボールを持たせず……という展開で、逃げきりへのゴールへと着実に歩を進め。
そして試合終了の時を迎え、1-0で勝利したスペインが見事優勝を掴み取りました。
準決勝・決勝と、相手に何もやらせないという絵図を極限にまで高めた末の栄冠は文句のつけようは何処にも無く。
無敵艦隊の愛称に相応しい結末となりましたが、その進撃は何処まで続くか興味は尽きる事は無いでしょう。