<前回の記事>
- 長崎(20節・アウェイ熊本戦、3-1)
- 仙台(21節・アウェイ磐田戦、1-0)
<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン
- 7/16に天皇杯3回戦(鹿島戦、1-2)・7/21に親善試合(レアル・ソシエダ戦、1-0)が挟まる。
- 翁長聖がJ1・ヴェルディから完全移籍で加入し(再加入)、今節から登録され即スタメン出場。
- 佐々木奈琉(早稲田大)の来季加入が内定・同時に特別指定選手となり、今節から登録される。
- 移籍準備中の松澤海斗の移籍先が、ベルギー・シント トロイデンVVに決定し(完全移籍)、前節(いわき戦、1-1)をもって登録抹消。
- 西村蓮音がシンガポール・新潟Sへレンタル移籍となり(以下同文)
- 増山朝陽がJ1・町田へ完全移籍となり(以下同文)
- 齋藤遼太が台湾・台中FUTUROへレンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
- 安部大晴がスイス・FCルツェルンへレンタル移籍となり(以下同文)
- 名倉巧が病気により、治療・回復に専念するため離脱。
- 負傷離脱していたエドゥアルドが復帰、9節(鳥栖戦、0-2)以来のスタメン出場。(但しソシエダ戦で既に出場したとの事)
- 長期離脱していた中村慶太が復帰、今季初のベンチ入り。

<仙台スタメン>
- 山内日向汰がJ1・川崎からレンタルで加入し、今節から登録されベンチ入り。
- 實藤友紀が富山へ完全移籍となり、前節(藤枝戦、1-1)をもって登録抹消。
- 西丸道人がJ3・讃岐へ育成型レンタル移籍となり、今節をもって登録抹消。
- 梅木翼が秋田へレンタル移籍となり(以下同文)

中断期間を消化し、3週間ぶりの開催となったJ2リーグ。
前年もそうでしたが、移籍選手のウィンドー解禁となり1試合消化後に挟まれるそれはややキリが悪く感じるものの、チームにとっては有用である事は変わり無く。
その間に月は変わって8月、昇格を目指す者にとっては落とすのが許されない試合が続き。
ともにそんな状況であるクラブ同士の一戦となれば、一層負けられない要因が高まるといったこのカード。
長崎の毎年恒例である「平和祈念ユニフォーム」の着用や、(試合前)その上に着られた名倉の病気回復祈願のTシャツなど、勝負以外の要素も数多交わりましたがその部分はとりあえず置いておき筆を進めたいと思います。
長崎にとっては、前年昇格の可能性が絶たれた一戦であるこのカード。
同じホームの地(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)で、かつ有利な立場であるプレーオフの場であり、今後のためにもトラウマ払拭を果たしたい一日となり。
お互いボールの蹴り合いで幕を開けたなか、例によってその蹴られたボールを収めにいくフアンマ・デルガド。
松井蓮之の激しいチャージにより倒れ込んでしまう(前半2分)も、毎度恒例となっているそれによる主審へ激しく異議を唱える、という絵図は表さず。
それもそのはずで、8月をもってルール改定が行われ、そのうちの一つがキャプテンオンリー制度の導入。
主審に対し意見を言えるのはキャプテンのみとなる事で、フアンマも自重せざるを得ないという当然の流れに落ち着いていました。
それを利用してか、仙台サイドも彼への寄せを厭わないという意識を入りから強めたものの、続く3分にはそれが逆に作用。
中盤でのフリーキックを素早く始めたのち山口蛍の縦パスを受けたマテウス・ジェズス、当然彼にも激しい寄せが待っていますが、巧みなボールキープで松井のそれをいなした末にエリア内へミドルパス。
そこに澤田崇が抜け出すという決定機の絵図が生まれましたが、ワントラップしたその刹那、前に出たGK林彰洋と激しく交錯してしまい決められず。
先に澤田の足が林に入っていた事もあり反則無しという判定に収まり、それに対しキャプテンの山口が決定機阻止として抗議するも覆る事無く終わりました。
しかし澤田のダメージが大きく、2分ほど経ってようやく起き上がりバックスタンド側のピッチ外で待機となり。
数的不利にも関わらず長崎は攻め上がり、右サイドを山口・ジェズス・フアンマのパスワークで前進していくと、その間に澤田が復帰。(6分)
そして左の翁長聖へと展開した事で、すかさず攻めに加わるという幸運も交わっての好機となりました。
この攻めで左コーナーキックを獲ると、キッカー翁長のクロスがニアを越え、中央でエドゥアルドが合わせてのボレーシュートがゴールを襲うもGK林がセーブ。
激しい展開を挑みながらも、相手の攻めを断ち切れなかった仙台により、長崎ペースへ固定化する事となった前半。
3バックのままの最終ラインからビルドアップを図る長崎により、4-4-2の仙台はどうしても噛み合わせの悪さを払拭できず。
ハイプレスに出るにはサイドハーフの協力が必要ですが、そうなると相手ウイングバックに対しサイドバックが規制を掛ける事は必須となり。
前半はとにかくそれを避けたいという仙台サイドの意図が窺え、その分長崎がボールを持てる事に繋がります。
しかし監督交代以降はこうした絵図を許さない、つまり「持たされている展開」の打破を図る意識が強い長崎。
11分に長らく保持を続け、GKまで戻して作り直しとなると、エドゥアルドから左へ展開しての繋ぎを経て翁長が1タッチで裏へロングパス。
そして中央でフアンマが抜け出し絶好機、と思われましたがオフサイドに阻まれます。
フアンマ・ジェズスという矛を最大限活かす、こうした急襲的な振る舞いでプレッシャーを与え。
それ故に、仙台もマイボールの際は下手にボールを失いたくない展開。
そのビルドアップは、鎌田大夢を右SH起用という絡め手で挑んだ布陣そのままの意識。
つまりは普段ボランチの彼が、本職よろしく中央に絞っての立ち位置を取り、それにより高めの意識が強い真瀬拓海を上げるというのが基本だったでしょうか。
加えて、ドイスボランチを縦関係とする事で武田英寿が疑似的なトップ下、という絵図も何度か見られ。
しかしこの変則性により、逆に前進がままならなくなってしまい自陣でボールロストを頻発。
18分にはそのドイスボランチ間で、松井がセンターバックのパスを(足下での)フリックで武田に繋ごうとするもジェズスに詰められ遮断され。(その後速攻を受け、ジェズスのエリア内の浮き球に澤田が抜け出すもGK林が抑える)
前進成功したのは23分の一度のみに終わり、それが攻撃権を支配される展開へ直結してしまいます。
遅攻ベースに速攻を加えるという立ち回りの長崎。
決定機は20分で前者から、最終ラインでの繋ぎから米田隼也が右→左へサイドチェンジ、これを翁長がワントラップで真瀬のプレッシャーを剥がす事に成功。
そして中央へ流れてのミドルシュートがゴールを襲い、惜しくもバーを掠める際どい一撃に。
飲水タイム(26分)後も総じて変わらない展開。
修正したい仙台は、ドイスボランチの縦関係を止め、鎌田も普通のSHとしての振る舞いを膨らませた事がそれだったでしょうか。
逆に奥山政幸が「偽SB」的に、ボランチの位置で持つ事がありましたがこれは試合当初から。
恐らくは守備面を考慮し、ジェズスを抑えに行き易い位置をキープするためのものでしょう。(ちなみにジェズスは割とフリーマンななか、保持時に右ワイドに流れて米田を中へ絞らせるのが目立った立ち回り)
32分にはその配置から、左に開いて受けた松井が前進に持ち込み好機。
そしてスルーパスを受けた宮崎鴻がエリア内左からシュート、GK後藤雅明にキャッチされるも、ようやく初のフィニッシュに辿り着く成果が生まれ。
しかし直後の33分、またも中盤で松井→鎌田のパスが遮断されて長崎のショートカウンター。
松本天夢のパスカットでこぼれたボールが、あろう事かフアンマがスムーズにドリブルに入れるものとなってしまい、そのままエリア内へ切り込み放たれるフアンマのシュート。
これをGK林がセーブ、尚もゴール方向へ浮き上がるも左ポストに当たり、跳ね返りを林が抑え何とか事無きを得ます。
それでも僅かな光明を決定機で塗り替えられてしまったのは変わらず、厳しい展開を余儀なくされる仙台。
38分にはまたもパスミス(ハイプレスを浴びた末に奥山が苦し紛れのパス)から長崎のショートカウンター、拾った澤田が持ち運びを経てエリア内へラストパス。
足下で受けたのは例によってフアンマで、切り返しからシュートを放ちましたがこれもGK林が脚でファインセーブ。
しかし真瀬のクリアが翁長にブロックされ脱出できず、またも拾った澤田が今度は自分でエリア内へ切り込み、撃つ……と見せかけ右へ横パス。
そしてもう一人の個であるジェズスがダイレクトでシュート、しかしGK林がまたも脚でセーブと、崩壊寸前の所を立て続けに防ぎ失点を許しません。
これらの決定機が前半のハイライトと言ってもよく、以降も長崎は攻め続けますが有効打は放てず。
しかし仙台も、自陣に戻される絵図が長くなり消耗激しいといった状況に。
41分にカウンターチャンスが訪れるも、鎌田の山口の剥がしを経て左ワイドで受けた郷家友太は前進を選ばず、戻して作り直し。
既に前に出るだけのエネルギーは無い、又はあっても後半に温存するのが吉という感じで、スコアレスを保つ事に徹したでしょうか。
結局、その通りに無得点のまま前半終了。
一重に長崎ペースという絵面でしたが、その長崎の方がハーフタイムに交代を敢行。
江川湧清→照山颯人と、CBの交代を選択する事となりました。
後半も攻勢を保ちたい長崎。
しかし後半3分、中盤でのボール保持から戻しを選択すると、新井一耀が1タッチで縦パスも密集の中に送ってしまい奪われ。
その後照山が獲り返して事無きを得ますが、長らくペースを掴む事による、こうした雑なプレーが呼び起こす怠慢は避けたい所であり。
9分の長崎、GKから地上で前進を選ぶも翁長裏へロングパス→フアンマとしっかりストロングポイントを使い、左ワイドで持ったフアンマは溜めを経てサイドチェンジ。
これを右ハーフレーンで受けたジェズスがそのままミドルシュートと、油断せずに個の力を活かすフィニッシュを生み出しましたが、これもGK林のセーブに阻まれ実りません。
すると防戦一方の仙台も、次第にリズムを作り出し。
宮崎狙いのロングボール一辺倒という手法が後半の入りとなっていましたが、それによるリスク回避が果たされると、徐々にボールも持てるようになり。
前半は押し込まれ続け、おまけに途中での修正もあり真瀬が前に出れない状況が長く続き。
そのためHTで再度修正され、松井が右に開く位置取りを見せ、井上詩音と真瀬の間に立つ事でそれを果たしに掛かったでしょうか。
それを埋めるように、鎌田も再度ボランチとして立ち回る絵図が増え。
16分には自陣深めからのプレス回避を強いられるも、鎌田のロングパスのセカンドボールを拾ったのち右奥へ運び。
そしてパスワークを経て、右から松井の低いクロスがニアに入り、荒木駿太がヘッドで跳び込むも僅かに合いません。
優勢だった長崎も、そんな仙台の変節を受け徐々に衰退。
それを象徴するように19分にフアンマ→山﨑凌吾へ交代、ここから個の力のみでは厳しい状況へと突入します。
長崎が先行逃げきりに入れずに混迷、といった展開ですが仙台もそれを突くだけの勢いは付けられず。
その燃料とすべく24分に交代を敢行、武田・荒木→山内日向汰・エロンへ2枚替え……という所で挟まれる飲水タイム。
動き損といったベンチワークで、改めてブレイク明けに交代が発表されましたが、長崎もそれに合わせて澤田→エメルソンへと交代します。(仙台は鎌田がボランチに回る)
その最初の好機は、GK林のロングフィードを照山がヘッドで跳ね返すと、下がって山﨑が拾いにいきましたが戻りオフサイドのためスルー。
これがその奥のジェズスに渡った事で、「正直この絵図で『プレーに関与していない』と判断するのはどうなのか」と言いたくなるも継続、ジェズスが細かいタッチでの前進を経てミドルシュート。
しかしGK林がセーブと、この日の林の鉄壁ぶりは言葉では言い表せないほどであり。
そんな守護神を見てそろそろ奮起したい仙台、29分に郷家のパスカットからショートカウンター。
中央で溜めを作った山内が左ポケットへミドルパス、そして郷家が受けた事でシュートチャンスが生まれましたが、郷家は足を振るもミート出来ず空振りという結果に。
しかし米田のクリアを回収して二次攻撃、そのまま左サイドで続けられるパスワークに加わった山内、最後は自身での持ち運びに切り替え再度突かれる左ポケット。
そしてマイナスのカットインを経てシュートと、ジョーカーらしい先陣を切る姿を見せましたがエメルソンのブロックに阻まれ決められず。
33分に翁長が松井との競り合いで、ボールキープのなか腕でチャージを受けたという事で反則。
しかしそのせめぎ合いで松井もチャージを受け、鼻から出血してしまった事でピッチ外に。
ここで再度交代する仙台ベンチ、その松井が交代となり結果的に絶妙なタイミングに。(奥山・松井→石尾陸登・工藤蒼生)
長崎はフアンマが退き暫く経った事で、覚悟を決めてか地上で地道にやりきる事に意識が振られ。
その片翼を担ったのがエメルソンで、細かいボールタッチによる推進を駆使して好機を齎しに掛かり。
35分のドリブルは真瀬に止められるも、続く37分翁長とのパスワークから切込みに入り、左ハーフレーンから直進に切り替えエリア内へ。
そして奥から入れられるマイナスのクロス、山﨑のシュートがミスとなり右に流れた所、すかさずジェズスがシュートと2段構え。
しかしこれもジャストミートは出来ず、あえなくGK林に阻まれる事となりました。
流石にこれだけ好機を逃せば勢いは衰退する長崎。
39分に速攻に持ち込み、縦パスを受けた宮崎の右ハーフレーンからのミドルシュート(GK後藤セーブ)が流れを変える号砲となり。
以降仙台の攻めを反則で止めざるを得ない長崎(41分に山﨑が、44分に照山が警告)と、終盤にきて後手に回る展開を強いられます。
(41分に米田→笠柳翼へと交代、翁長が右WBに回る)
44分、攻めが途切れるもゲーゲンプレスを掛け、翁長のミドルパスを回収して二次攻撃に入る仙台。
鎌田が左から斜めの縦パスをエリア内へ打ち込み、宮崎ポストプレイ→山内シュートと流れるようにフィニッシュを放つも、照山のブロックに阻まれ。
一気に苦しくなった感のある長崎、時間も押してきたため山﨑・エメルソン狙いのロングボール攻勢へと切り替え。
これにより盛り返してアディショナルタイムに突入、笠柳から左ワイドからカットインを経てシュートを放つ(GK林キャッチ)など、再度矛を活かす流れが生まれます。
そして松本がパスカットから持ち上がり、良い位置で(山内に)反則を受けた事でFKの好機。
その直前にパスをカットされた鎌田が足を攣らせてしまったため、残されたカードを切る仙台ベンチ。
しかし既にグスタボを準備させていた所からの取り下げとした事でひと騒動が起き、誤って退く選手がエロンと表示された事で、慌てて4審に詰め寄る森山佳郎監督という絵図が生まれてしまいます。
何とか改められ、鎌田→石井隼太へと交代。
一悶着合って迎えたこの長崎の直接FK、ジェズスが直接狙う……というオーラを醸し出した末に、エメルソンの蹴り出しからの(ジェズスの)シュートという変節。
しかし仙台のブロックをかわしたものの威力に欠け、GK林にキャッチされ。
最後の攻撃を掴んだのは仙台で、投入された石井のアーリークロスにより得た左CK。
それでも機運の高まらないなかでの強引な好機の影響か、生まれたのは照山・菅田真啓の頭部同士の激突というものとなってしまい。
幸い両名無事に起き上がりましたが、再開後のプレー時間は既にありませんでした。
FKが蹴り出された刹那、試合終了の笛を聞く事となり。
スコアレスドローという不完全燃焼な終わり方でしたが、再開後の初戦だけに「最低限の勝ち点1」と割り切る事が求められ。
勢いを付ける勝ち点3を早めに得たい所ですが、果たしてどうなるか。