ぶらりドリブルの旅

サッカー観戦(Jリーグ)好き、といってもPCの前が居住区になりつつある北海道民。

DAZN観戦 2026/27シーズンJ2リーグ第6節 FC今治vsサガン鳥栖

<今治スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 前節(大分戦、1-1)出場停止だったGK伊藤元太がスタメン復帰。
  • 前節から3バックへとフォーメーションを変更。yahooスポーツナビによると3-4-1-2との事だが、今節は3-4-2-1へと微調整。
  • 林誠道がレンタル先変更により退団(J3・愛媛へ移籍)となり、4節(山形戦、0-3)をもって登録抹消。
  • 萩原慶(桐光学園高)の来年からの加入が内定し、同時に特別指定選手となり4節から登録される。
  • 白石蓮(新潟医療福祉大)の来年からの加入が(以下同文)

<鳥栖スタメン>

  • 前回の今治の記事(2節・ホーム大宮戦、2-3)

coro5coro0.hatenablog.com

  • 前回の鳥栖の記事(3節・ホーム栃木C戦、1-3)

coro5coro0.hatenablog.com

 

開幕から一向に結果が出ない今治、前節はとうとう3バック(3-4-1-2)へと基本布陣を変更しての戦いに。
失点がかさむ守備陣の立て直しなのは明らかで、欧州スタイルの挫折という空気も流れかねない現状は、2023年の徳島と酷似する序盤戦となってしまいました。

そうした動きを経て、初勝利を目指すその相手が鳥栖というのも運命を感じざるを得ず。
J2降格して初年度という前年の鳥栖でしたが、開幕3連敗の最悪スタートとなり、5節にしてようやく初勝利。
その過程で4バック→3バックへと変更(3-4-2-1)し、以降それを基本フォーメーションとした事で安定化したシーズンと、似たような挫折を経験済みの相手に。
その際は3連敗目の相手が今治であり、色々な意味で親近感?を覚えるようなカードと化しました。

 

ともかく泥沼から脱したい今治。
立ち上がりは例に漏れずロングボール合戦と、こういう現状となった以上流暢にボール保持・ハイプレスという攻撃性を素直に発揮する訳にはいかない、そんな思惑が溢れ出ていたでしょうか。
前半3分にGK伊藤元太のロングフィードを入れ替わりで受けたエジガル・ジュニオが(阿部海大に)反則を受け、ここからフリーキック→コーナーキックとセットプレー攻勢に。
そのCKから、クリアボールを中井卓大ピピ(以下ピピ)がダイレクトでミドルシュート(枠外)という先制攻撃に。

そんな今治に付き合うかのように、ロングボールの配球を続けていた鳥栖。
最初に本来の姿である、地上での前進体勢に入ったのは7分でしたが、先程ちょっと述べた通り今治はプレスに行かずミドルブロックで静観の構えを取り。
ここは左サイドを塩浜遼のドリブルにより直に前進ののち、バックパス→櫻井辰徳のアーリークロスと、細かな崩しは未だ選ばず。

そして丁度10分という所で、再び保持の体勢に入った鳥栖は、バックパスを多用の末に今治のハイプレスを引き出す事に成功。
最終ラインから右ワイドへ展開し、受けた玄理吾はトラップで浮かし→自ら落としという小技での回避を見せたのち、𠮷田真那斗のスルーパスに走り込み好機に。
広大なスペースを得た玄は、切り込みでは無くそのままエリア内へのスルーパスを選択すると、中央に走り込んだ高橋利樹が合わせシュート。
プレス回避成功からの一直線な前進を見せましたが、ゴール右へと外れ先制はなりませんでした。

 

これを受けた今治、相手の保持による攻勢を阻止するのは難しいため、その回数を少しでも減らすべく以降自身もボールを大事にする姿勢へと突入。
保持合戦という様相にもなる雰囲気でしたが、鳥栖は自身の現在地とは違い果敢なハイプレスを掛けて来るチーム。
どう回避するかの導線が無ければ、更なる危機を招くのみであり。

重い課題がのしかかる中、3人の最終ラインは可変せず、ピピがアンカー役として高橋の脇に常時位置取るというのが基本姿勢に。
そこからボールの位置により高橋とシャドーの間へとズレるピピにより、中央から間を通す意識を相手に植え付けながら、両ワイドも含めピッチを広く使った前進を試みます。
それでもそれを貫くのみで好機を量産できるほど鳥栖は甘くなく、17分に左ワイドで繋ぐ体勢に入ったのち、前に出たピピが櫛引一紀の縦パスをレイオフする変節も絡め。(その後アレクサンダル・パロチェヴィッチが裏へミドルパスも、菊地健太には繋がらず)

しかし主たる課題は守備面で、先程プレスを誘われた事で、それを貫くか抑えるかの戦いを突き付けられる非保持時。
ミドルブロックで構える体勢も、相手の流動的なシャドーによりガブリエル・ゴメスが頻繁に喰い付きを見せるなど、全体前からいきたい潜在的意識を抑えきる事が出来ません。

そして24分、今津佑太がボールを持った所にハイプレスに出たものの、彼から受けた豊田歩が巧みにターンからドリブル。
これに喰い付いたピピが反則チャージを犯す(豊田が振りきったためアドヴァンテージ)というその症状を見せた末に危機へ突入、豊田→西澤健人→塩浜と繋ぎクロスを入れる鳥栖。
ファーに上がったボールを𠮷田がバイシクル気味に合わせにいき、ジャストミートせずも玄が繋ぐと、中央ペナルティアークから櫻井がシュート。
丸山大和がブロックし、その跳ね返りを拾った阿部のミドルシュートも再び丸山がブロックと、身体を張る事を強いられる今治ディフェンス。
しかし尚も櫻井の縦パスが右ポケットへ入り、受けた𠮷田がシュートと決定機が生み出されますが、GK伊藤が脚でセーブと凌ぎきります。

 

それでも、こうした攻防が続けば決壊は不可避という雰囲気が漂う中、27分に飲水タイムが挟まれ。
ベンチもそれを感じていたか、このブレイクを経て布陣を微調整する事となりました。

再開されたのち、パロチェヴィッチが前残りしてエジガルと横並びで守る事が多くなる今治の非保持時。
そして2列目は(右から)梶浦勇輝・ピピ・駒井善成の3人になるという具合に、3-3-2-2(3-1-4-2)へと布陣変更が図られ。
ハイプレスを自重する以上、3-4-2-1でのミラーゲームは必須では無いという思惑からでしょうか。

しかしボールゲインを諦めたようなその姿勢により、鳥栖は攻撃権を握り続ける難度は低くなり。
薄くなった中盤を縦パスで通すという具合に、より自陣での凌ぎの方にウェイトが割かれたようなそれは良いのか悪いのか……という印象を受けました。

 

むしろ良くなったのは保持時だったでしょうか。
開幕から一度見て見たかった、ピピがアンカーという布陣はこうして実現に至りましたが、むしろ駒井が降りて絡めるようになった事で安定度が増した感があり。
その姿はアンカーシステムと言うよりは3ボランチにも映りましたが、ともかくこれで鳥栖の前線に嵌められるのみとはならず。

個人的には、前回観た大宮戦の姿から、ボランチよりは(4-1-2-3の)インテリオール向きでは無いか……と思っているピピ。
間を取る動きからの持ち運びと、自陣でよりは敵陣でのパスの散らしに趣がある姿からそんな印象を受けるに至りましたが、この日はシステム変更もありアンカーらしい姿勢を貫き。
そして徐々にその力を発揮していきます。

ひとしきり鳥栖の攻撃を受けるも、次第にその勢いを削ぐ事に成功する今治。
すると44分のボール保持の局面で、GK~最終ラインでの繋ぎを経て、間が空いた所でGK伊藤の縦パスを受けるピピ。
入れ替わりからすかさずドリブルに入り回避成功となると、そのまま右奥へとスルーパスを通して一気に好機に持ち込み。(受けたエジガルがクロス)

押されっぱなしの中、風穴を開ける事に成功しましたが既に残り時間は少なく。
その後45分に鳥栖のカウンターを受けた(𠮷田が右ポケットへ切り込む)事で、ペースの確保は果たせず前半終了を迎えました。

 

ともにハーフタイムでの交代は無く。
途中で布陣変更を敢行した今治、後半もそのまま3-3-2-2・守備時5-3-2で挑む事に。

始まった後半、ネジを巻き直した鳥栖が優勢ぶりを取り戻す入りに。
押し込み続け、今治のクリアを拾って二次攻撃と一層苛烈に映ったその光景。

そして何度目かの攻撃(後半2分)で、玄がドリブルで右奥を突いてカットイン、対峙するゴメスを剥がしてポケット進入。
すると必死に食い下がるゴメスに腕で倒される事態となるも、反則の笛は鳴らずに不満を露わにする玄。
前半からその喰い付き具合により危機感を覚えていたゴメス、あわやPKという心臓に悪い場面を作ってしまうも、何とか命拾いとなりました。

いきなりの失点は避けられた今治、その後も守勢が続きましたが、5分にカウンターの局面を作った(梅木が持ち運んでスルーパス→梶浦クロス)事で戦線を押し戻し。
そこからボール保持の体勢を取り直すという流れに。
前半同様、ピピがアンカーとして立ち位置の調整に努めつつ、最終ラインには駒井が降りて強化を図り。
それによりウイングバックも安定して高目に上げられ、梅木が前線で好機に絡む事が多くなり。

 

そうして勝ち筋を見出さんとする今治に対し、鳥栖はやはりハイプレスの徹底でそれを乱しに掛かり。
11分にパスミスを誘ってのショートカウンターを連続で敢行、その1度目(梅木のパスミスから)には遠目から放たれた長澤シヴァタファリのミドルシュートがゴール上へと際どく外れ。
毅然としたプレスに、未だ付け焼刃感が否めない保持では屈するのみとなり。

しかし12分、ここも自陣で保持が乱れた今治ですが、即時奪回を狙う事で狭い局面での奪い合いに発展。
そして拾ったのはピピで、すぐさま寄せて来た阿部を剥がして乱戦を制す格好となり、そのパスを受けた梅木が持ち運びからミドルシュート。
ゴール左へ外れたものの、流れを変えるには十分な一撃となり。
それに従うように、今度は鳥栖の保持が自陣で捕まるという場面が量産され、形勢逆転の雰囲気が高まります。

そんな中で、双方ベンチが動いたのが15分。
今治はパロチェヴィッチ・エジガル→森晃太・古山兼悟へと2枚替え、鳥栖は玄→中原輝。
交代後も、今治は森・古山の2トップを維持したため3-3-2-2のまま戦う事を選択した格好に。

鳥栖は、投入された中原が右から・塩浜が左からという具合に、アタッカーの推進力を中心としたサイド攻撃へシフト。
無理目な中央からの崩しよりも、5-3-2の今治にはこうした直のサイド突破が一番と判断したかのようなその姿。
21分には左奥へ切り込んだ塩浜のクロスが入り、クリアが小さくなった所を西澤が拾いシュート(櫛引がブロック)と、有効打も見せた点からもそう思わされました。

しかし直後の22分中央から運ばんとした所を、今津→豊田のパスがズレてしまいトラップ出来ず、こぼれ球をピピが直にスルーパスと一手でカウンターに持ち込まれ。
これが古山の抜け出しを呼び、そのままエリア内でGKと一対一という決定機を迎えると、GK泉森涼太を左へ抜くシュートを放つ古山。
しかし威力が足りず、ゴールへ転がるボールを必死に戻った今津がその手前でクリアと、決めきるには至らず。
依然として劣勢の感が強い今治にとっては、手痛い逸機となってしまいました。

 

一方鳥栖の方も、保持の乱れの多発は見過ごせない要素に。
それを敏感に受け取ったベンチの動きも早く、25分に一挙3枚替え。
櫻井・𠮷田・高橋→松本凪生・芳野凱斗・鈴木大馳へと交代します。(いずれも同ポジション同士)

それでも修正は出来ずに乱戦模様が続き、その中で投入されたての松本が反則・警告となってしまい。(27分)
最後は29分に獲得したCKで今津がヘディングシュートを放った(枠外)、という所で後半の飲水タイムが挟まれます。

明ける際に今治ベンチも動き、駒井→持井響太へと交代。
これにより最終ラインに降りる役が居なくなったため、今治は空中戦つまりはロングボールの割合が多くなる、相手の乱れも考慮した乱戦覚悟の戦いに。
その変化が、再開直後にいきなり古山と今津が頭部同士激突するというシーン(32分)を生んでしまいましたが、幸い両者とも無事継続となり。

鳥栖も芳野の投入で、サイドアタッカーに頼る姿勢は一層強くなり。
そのため、あれだけボール保持ならびにその為の組織力勝負の様相となっていた絵面は、一気に希薄な状態と化すに至りました。

そしてそれに備えるべく、両者最後のカードを切る事に。
鳥栖は37分に塩浜→城定幹大へ交代(城定が右に入り、芳野が左に回る)と、使い続けた塩浜の燃料切れといった采配に。
一方今治は40分、ピピ・梶浦に代えて山田貴文とウェズレイ・タンキを投入。
こちらもボランチの燃料切れと、それによるタンキ狙いの中盤省略を図るような采配が敢行され。

 

最初に決定機を得たのは鳥栖で41分、敵陣でのパスワークを経て、左へ移った芳野が切り込みとやはり長所を活かす手法に。
そしてクロスが逆サイドへ流れると、奥で拾った城定バックパス→豊田がクロスと角度を付けて上げる選択により、ファーで芳野が合わせヘディングシュート。
思いきり叩き付けたボールがGK伊藤を突破するも、バウンドによりゴールバー直撃という結果となり、跳ね返りを自ら詰めにいくもGK伊藤が掻き出して撃てず。
ともに強度低下する終盤で、自らの跳梁をゴールに結びつけられない芳野。

すると今治も43分、GK伊藤ロングフィード→タンキ落としと、投入した駒をフルに使った攻撃。
ここはフィニッシュに繋がらずも、その後また直ぐに保持の局面へ戻ると、今度は丸山が裏狙いのロングパスを選択。
抜け出した梅木からクロスが上がると、タンキを囮とするかのように、大外のの足下へと収まるボール
そして短いカットインから放たれた森のシュートが、ゴール右上へと突き刺さります。
重い雰囲気を吹き飛ばすような先制点に、歓喜一色となるピッチ上ならびにスタンド。

 

光あれば闇があり、と言うように、逆に落胆を隠せない鳥栖サイド。
あれだけ攻めながらも得点出来ずと、結局は前年からの課題である火力不足の極め付きといった展開の末のビハインドで、ここからの挽回の空気は到底作り出せず。

その後反撃に掛かりますが、やはり粗雑ぶりに覆われてしまい有効打を生み出せない鳥栖。
逆に今治の逃げも含めたロングボール攻勢を阻めずに、セカンドを拾った梅木に決定的なシュートを浴びる(GK泉森セーブ)など、更なる追加点を許しかねない空気に。

結局最後まで鳥栖のフィニッシュは生まれず、1-0のまま試合終了の時を迎え。
6戦目にしてようやくの今季初勝利となった今治ですが、依然として最下位なのは変わらずと、これが一匙の安堵となるか反撃の狼煙となるかは不透明。
この日のような、長期戦を踏まえながら、最後に歓喜に沸くサッカーを徹底できるかどうかに掛かっているでしょうか。

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