- 前回の記事
<富山>
<いわき>
<富山スタメン> ※()内は前節のスタメン
- 水曜(4/16)にルヴァン杯2回戦(J1・名古屋戦、1-1(PK6-5))が挟まる。そこからの継続スタメンはGK田川・酒井・竹中・植田の4名。(GK田川・竹中は3戦連続)
- ルヴァン杯2回戦で負傷交代した植田は、無事で今節もスタメン出場。

<いわきスタメン>
- ブワニカ啓太の負傷が発表され、脳震盪との事で発生日・治癒期間ともに未発表。

4日前のルヴァン杯で、120分ならびにPK戦の死闘を演じた末に勝利した富山。
その相手が、前年同大会の王者である名古屋だった事で、ひとしきりジャイアントキリングに沸く事となりました。おかげで相手の名古屋傀儡にリーグ戦の不振と相成ってネガティブな感情を発生させる事に
前年も一定の結果を出している(神戸に勝利してプレーオフラウンド進出)ので、カップ戦ならびに上位カテゴリ相手の方がモチベーションを上げられる。
そんなクラブとしての評価が定まりそうな勢いですが、その機運をリーグ戦にも持ち込みたいのは言うに及ばず、といった所でしょうか。
そんな感情故に、1回戦直後の試合(7節・仙台戦、0-1)でルヴァン杯のスタメンを大量起用した経緯がありますが、今回は4人の変更(そのうち田川・竹中がリーグ戦のレギュラーなので実質2人か)に留まりました。
今季未勝利のいわきをホームに迎えた一戦ですが、自身もリーグ戦では5戦未勝利なので流れを変える勝ち点3が欲しい所。
前への圧力が旺盛ないわきが相手という所で、ロングボールの配球がしばらく続くと思われた立ち上がり。
しかし1分と経たずに、早くも最終ラインの今津から保持の姿勢に入ったこの日の富山。
早くもプレッシャーに対し応戦姿勢、といった絵図でしたが、3分にはパスコースを無くした吉田が苦し紛れに持ち運ばんとするも石渡に奪われてしまい。(その後いわきは右奥に持ち込み谷村がクロス)
ならばと続く4分、素直にロングパスを選択した今瀬により、右ワイドで収めた松田のポストプレイ(2タッチ)から好機。
高橋がカットインを経てエリア内の伊藤へパス、ディフェンスでこぼれた所を後方から駆け上がった植田がシュート(ブロック)と、ファーストシュートを生み出しました。
それも束の間、すぐさまいわきのセットプレーを受け続ける状況に。
5分のフリーキック(左ワイドから)でクロス→熊田ヘディングシュート(GK田川キャッチ)と脅かされると、続く6分にも素早く右奥を突くいわきに対しコーナーを献上。
そしてこの右CKから、キッカー坂岸のファーへのクロスで、何故かフリーとなっていたゴールゲッター谷村。
悠々と足下で合わせる程のスペースが出来ており、放たれたシュートがゴールに突き刺さり。
西矢が手前の熊田(と、彼に付いていた吉田)の動きに邪魔されてマークに付けなかったという絵図ですが、原因が明らかでも失点を無しにする事は出来ず。
これまでの戦いとは裏腹に、幸先良くいわきがリードを奪いました。
立ち上がりはハイプレスを選択していたいわき。
守備時には五十嵐がサイドハーフと化する4-4-2の体勢を取るという、可変式も健在であり。
しかし前回の水戸戦で、あまりにも簡単に疑似カウンターから失点を重ねた事の反省か。
リードも得た事で、富山の裏狙いのケアを目立たせブロック形成を重視、無理に前からいかない時間を長くします。
15分、GK田川が左で高い位置を取った吉田に当てるロングフィード、落とされたボールを高橋が拾うもスライディングでそれを防ぎにいった石渡。
無理に前掛かりとならず、最終ラインが後方を固めたうえでボランチが対処しにいく絵図で、いかにも疑似カウンターへの対策を施して来たという守備対応。
しかしそれも、球際でキープに成功した高橋により無にされてしまい。(その後吉田がクロス)
それでも以降はその意識により、17~21分の長時間に渡り富山に攻撃機会を作らせず。
そのいわきの守備を受けた事で、地上からのビルドアップの色を強めなければならなくなった富山。
高橋が第3のボランチとして振舞い、最後方から繋ぐ体制を作るお馴染みの攻撃方法を採ります。
それでもブロックを崩さないいわきにより、こうした主体的な攻めはあまり機能せず。
決定機は23分、空中戦で右往左往するボールを松田のレイオフで確保してからで、受けた伊藤が前進から右へ展開してパス&ゴー。
そして西矢のライナーでの縦パスを受け直し、右ポケットへ進入してシュートしましたが山内のブロックに阻まれ。
相手ディフェンスが乱れている所を突くのが効率良いのは言わずもながですが、これまでと違い乱れの少ないいわきにより中々叶いません。
先制点以降、いわきに攻撃機会は全く訪れず。
追い掛ける富山がどうこじ開けるかという展開のなか、たまに訪れる保持ではシンプルな裏狙いかつ、富山が拾った所にゲーゲンプレスを掛ける「ストーミング」の色が強かったものの形になる事無く推移。
28分にようやく、柴田の左奥へのロングパスが熊田に通っていわきの好機が生まれ(そのままカットインで切り込んでCK獲得)、ひたすら専守というイメージは何とか薄めます。
それでも際立った攻めを描く事は無いいわき、守備だけでなく、攻撃でもこの日は慎重さが伺えたでしょうか。
しかし、そんな慎重な思惑に支配されてしまったか。
30分台から、五十嵐が最終ラインに吸収される、即ち5バックとなって構える状態が目立ち始める守備時。
こうなると、高橋も無理に降りずに普通のアタッカーとして振舞えるのでチャンスは膨らみます。
37分の富山、その相手に対し労せずして敵陣でのポゼッションに入ると、右サイドでスルーパスに走り込んだ西矢が奥からクロス。
そしてヘディングシュートを放ったのは高橋(枠外)と、ボックス内のシューターも増える良い事尽くめ。
そして直後の39分。
いわきはこれではいけないという事で、富山のボール保持に対し前に出る姿勢を取りましたが、それが完全に仇となります。
最終ラインで持つ今瀬が、五十嵐の上がりを見てその裏へロングパスを供給すると、さらに降りた伊藤に対し堂鼻が喰い付くおまけまで付いて碓井に綺麗に裏を取られ。
そしてGK早坂も前目になっている(おまけにスリップしていた)のを見た碓井、ダイレクトでシュートを選択すると、ゴールネットに突き刺さります。
対応が両極端となった相手の隙を突き、追い付いた富山。
やはり血には逆らえないというべきか、前への意識が拙い対応に直結してしまったいわき。
こうなると今までの慎重ぶりは影を潜め、その後も攻撃権を握り続ける富山に対し、デュエルの色を強める事で防ぎに掛かり。
しかしその結果、43分にレイオフする植田を後ろから倒してしまった石渡が反則・警告。
45分にも激しい攻防の末にラインアウトの後、熊田が勢い余って竹中を倒してしまった事で富山ベンチがヒートアップと、筋肉系クラブの特色が間違った方面へ傾くという絵図に至ります。
アディショナルタイムに突入し、富山が右スローインの連続で漸進しアタッキングサードへ。
しかし右奥で松田からボールを奪ったいわき、すかさずゲーゲンプレスを受けて最奥に追い込まれるも、ミドルパスでそれを脱するという具合に巧さも見せ。
何とかラフプレーの色を薄める事に成功し、前半を終えました。
ハーフタイムでそのいわきサイドが動き、柴田・石渡→山下・木吹へと2枚替え。
石渡が警告付きとなったのもあり、ドイスボランチをそっくり入れ替える采配を取った田村雄三監督。
前半は我慢していた感のあったいわきですが、追い付かれたのもあり後半はハイプレスの色を高め。
後半4分には山内が敵陣でパスカットと、最終ラインも前への意識を強める事で勝ち越し点を狙いにいきます。
しかし5分、富山は自陣での左スローインを碓井が落とし、ドリブルの体勢に入った伊藤が堂鼻・山内の2人を剥がして切り込み。
そのまま奥へ進入し、戻った堂鼻が何とかCKに逃げるという具合にリスクと隣り合わせ。
これによりCK攻勢に入った富山は、1・2本目共にショートコーナーを挟んでのクロス。
その先もいずれもファーで酒井が合わせにいくというもので、デザインぶりが伺える攻撃に。
いわきの姿勢が変わった事で、裏を突ける余地が生まれる富山。
10分にGK田川は低い弾道でのフィード、高橋の手前でカットされるもこぼれ球を碓井が直接スルーパスを送ってその状況を作ります。(受けた伊藤が左ポケットへ切り込みCK獲得)
しかしいわきは攻撃でも姿勢を変え、地上でのパスワークをメインに置き始め。
これは富山も予想外で(そう見えた)、ハイプレスで遮断しに掛かるもそれをいなしていくいわき。
15分には最終ラインから生駒が左へ展開すると、パス&ゴーで坂岸を追い越して攻撃参加しスルーパスを奥へ通し。
受けた山口のマイナスのクロスに谷村が走り込む好機も、GK田川の好反応で抑えられシュートは撃てず。
直後に再度ベンチが動き、五十嵐・熊田→加瀬・村上へと2枚替えを敢行します。(谷村の1トップに)
いわきは第一プレスこそ容易に突破するも、敵陣での崩しの精度は今一つとこの辺は変わらず。
そのためお互いフィニッシュが生まれない時間が長くなる、勝ち越し点の匂いは皆無といった展開に。
そんな閉塞感打破のため、富山ベンチが手を打ったのが21分。
吉田・伊藤→神山・布施谷へと2枚替え、センターバックを1枚増やすその交代通りに、3-4-2-1へと布陣をシフトします。
1トップは碓井、ウイングバックは右に西矢・左に布施谷と、あえてのミラーゲームで勝負を賭けに来た小田切道治監督。
直後の22分、空中戦から酒井ヘッド→松田レイオフでボール確保し、高橋が中央からミドルシュート(ブロックされCKに)と試合を動かすのに成功した富山。
ミラーゲームにした事で、あまり機能していなかった前線の守備も様になり、WBも果敢に前に出ていわきのボール保持による前進を阻み。
それにより再度前半のようにいわきに攻撃機会を与えない展開に持ち込みます。
後は自分達の攻撃次第、となりましたが、こちらは27分の布施谷クロス→高橋ヘディングシュート(GK早坂キャッチ)を最後に打ち止め。
その後はどちらも繋ぎが雑になり28~32分の間、好機が生まれず時間が進み。
それを断ち切ったのは富山サイドでしたが、左スローインの連続という地道な攻撃を繰り返すもシュートには繋げられません。
再度打開を図るかのように、34分に竹中・松田→松岡・亀田へと2枚替え。(高橋がボランチに回り、松岡は右WB)
一方押され気味ないわき、繋ぎの精度も欠いてきた事で、ロングボール主体の本来の姿に戻し。
35分のゴールキックから、ロングフィード→山口フリック→谷村落とし→村上という繋ぎでアタッキングサードに運んだのがその号砲となり。(その後加瀬が右奥を取るもディフェンスに阻まれる)
しかしそうなるとディフェンス面で簡単にスペースを与えてしまう、これまでのいわきの弱点が露呈し始め。
36分の富山は、ボール確保した布施谷がすかさずサイドチェンジ気味に裏へロングパスを送る(西矢に繋がるもキープの際に奪われる)という具合にそれを突きに掛かり。
37分、いわきベンチが最後の交代を敢行。
坂岸→加藤大へと代え、空いた左WBに山下が回り加藤大が最前線に。(ボランチは山口が降りる、あるいは木吹アンカーの3-3-2-2へシフトか)
その直後に敵陣で保持という局面を迎えたいわき、左→中央→右への展開から加瀬がドリブル突破で奥を取って右CKを獲得。
そしてこのセットプレー、キッカー山下のクロスをニアで山口がフリックすると、巧みに抜け出た谷村がまたもフリーとなりファーで合わせ。
ゴール上部に突き刺さり、これで谷村かつCKからの2得点と、紆余曲折ありながらもスタイルと得点源が真価を発揮という形になりました。
一方、攻撃機会で上回りながら先に点を取られてしまった富山。
キックオフの前にこちらも最後のカードを使い西矢→武へと交代、松岡が右WBへと回ります。
1点が必須となった富山ですが、シュート数の少ない試合展開故に、無理矢理攻めにいっても良い事は無く。
41分には植田が山口に奪われた事でいわきのカウンター、加藤大が右サイドをドリブルで持ち込むも、遅攻に切り替え時間を使いに掛かり。
そのため下手にパワープレイに出る事無く、あくまでポゼッションで勝負という立ち回り。
しかし5バックの意識を高めるいわきの前に、ゴールに辿り着くのは容易では無く。
45分、左の布施谷へ(植田が)対角線のロングパスを送り、遮断されるも尚も繋がり亀田のカットインから右サイドへ展開。
そして松岡がカットインでポケットへ切り込んでクロス、ニアで武がフリックしたその先で走り込む神山。
しかし惜しくも繋がらずラインアウトと、人数を掛けての崩しも実りません。
突入したATも、特に見所を作れずに時間が進み。
最後の局面、GK田川のロングフィードから強引に押し込んだ末、左ワイド奥で持った亀田がマイナスのカットインを経てクロス。
ファーで合わせにいった碓井の奥で、こぼれ球を拾った松岡がシュートしましたがオフサイドで無効に。
諦めの姿勢は決して見せなかったものの、それが実るとは限らないという悲しい性を描いて終わりました。
1-2で試合終了となり、遅まきながら今季初勝利を手にしたいわき。
2年前のような、最底辺からの巻き返しを図るシーズンとなりましたが、当時敢行した監督交代という手段も使い辛い現状。
それに代わるブーストの要素は、生み出す事が出来るでしょうか。