ぶらりドリブルの旅

サッカー観戦(Jリーグ)好き、といってもPCの前が居住区になりつつある北海道民。

DAZN観戦 2025~26AFCチャンピオンズリーグエリート第5節 江原FCvsFC町田ゼルビア

<両軍スタメン>

ベンチメンバーは↓を参照

soccer.yahoo.co.jp

  • 前回のACLの記事(2節・ジョホールvs町田)

coro5coro0.hatenablog.com

初のタイトル獲得による歓喜もそこそこに、即次の戦いに意識を向けなければならない町田。
しかもその舞台が海外アウェイと、過酷な日程に文句一つ言わない(本当にそう振る舞っているかどうかは不明だが)姿勢は、覚悟を決めて突き進む者そのものであり。
そしてその覚悟に身を包んだ結果が、周囲のヘイトを集めながらも、短期間でタイトルホルダーにまでのし上がった経緯に解り易く表れた格好となったでしょうか。
そんな戦いの舞台となったのは、韓国・江原特別自治道。

お相手を務める江原FCは、前年まで日本でお馴染みの尹晶煥(ユンジョンファン)氏が監督を務めていたクラブ。
ACLまで導くも、さあこれからという所で退任となるなど、有能な指揮官に引っ張られてきたもののクラブ意識自体は底から上がらず……といった状態でしょうか。(個人の推測です)
そんな状況からか、ホームにも拘わらず観衆はまばらで、町田と比べてこの大会に賭ける意気込みは雲泥の差という感じでありました。
尚そのホームである春川松岩スポーツタウン・スタジアム(ちなみにセカンドホームであり、本来は江陵High1アリーナを使用するとの事)は陸上競技場で、ホームのサポーター部分の座席スタンドは陸上トラックに配置されるなど、臨場感を出さんとする努力は窺えましたがその効果も今一つという風であり。

 

さて試合開始。
FWのキムゴンヒは札幌傀儡では説明不要の選手であり、今夏からの加入にも拘らずゲームキャプテンを務め。
そしてグラウンドでも、地上で繋ぐパスサッカーを基調としながら、彼のポストワークを絡めなければ町田のハイプレスを突破するのが困難といった絵図が示されます。
ゴール前でフィニッシャーを務めるべき存在にも拘らず、組み立てを助けなければいけないという展開に、何となくクラブの苦しい事情が垣間見えるようであり。(あくまで推測ですが)

その町田は、普段の3-4-2-1からマイナーチェンジし、2トップ・アンカーシステムである3-3-2-2(3-1-4-2)で挑み。
相手の最終ラインにマークを合わせる狙いなのは明白で、それにより江原は1タッチパスの連続という乱れやすいパスワークを見せなければ、そのプレスを掻い潜れない状況と化し。
キムゴンヒやパクサンヒョクのレイオフを使う事で何度か突破に成功するも、折角サイドでスペースを付ける状況になっても、彼らを組み立てで使った代償としてターゲットの上りを待たなければならないのが辛い所でした。

当然ながら、町田の前線守備の前に無傷という訳にはいかず。
前半7分、ソミヌが無理にキムゴンヒに縦パスを付けんとするも仙頭啓矢がカットして速攻に入る町田、ドレシェヴィッチの縦パスを受けたナサンホが左ポケットを抉り。
そして林幸多郎とのパス交換からカットインに入り、エリア内でシュートにいくもスリップしてしまい空振り、掻き出された所を後方から望月ヘンリー海輝がミドルシュート。(枠外)
決められずも、このナサンホの転倒に影響したようにホームの芝の悪コンディションも絡む事で、ポゼッションスタイルが町田の圧力という食指に掛かる未来しか見えない展開が描かれます。

一方江原の前線守備は、ハイプレスを殆ど掛けず。
2トップがポストプレイヤー故に機動力に欠けるのか、一応前線にモジェヒョン(彼も長身)が加わり、町田の最終ラインにマークを合わせんという節が窺えましたがボールゲインの姿勢はほぼ皆無。
またはスカウティングにより、町田にボールを持たせる展開にさせた方が有利に立つと踏んでの事か、傍らからはどちらとも取れず。

それ故に町田は例えアウェイであっても、今後の戦いも考えれば、ここいらで「ボールを持たされると何も出来ない」というイメージを払拭したい所であり。
15分にGK谷晃生から組み立てる局面で、ドレシェヴィッチミドルパス→仙頭レイオフ→下田北斗縦パスで前線を突破かつ左ワイドへの展開。
相馬勇紀よろしく、ワイドに張るナサンホを軸にした前進は健在で、ここから戻し→下田ミドルパス→林レイオフで突破の末に入れられるナサンホのクロス。
この低いボールをオセフンがレイオフ、エリア外で受けた仙頭がソミヌを剥がし再度ボックス内へ進入、そしてシュートが放たれ。
ゴール左へ外れたものの、守備意識の低い相手に対する崩しで主導権を握らんとします。
それも束の間、ゴールキックで再開した江原はロングフィード→キムゴンヒフリック→パクサンヒョクで一気に前進、受け直したキムゴンヒから左へ展開ののち(ソンジュンソクの)クロス。
跳ね返りをさらにエリア内へ繋ぎ、狭い局面でのキープを経てキムゴンヒがシュート(増山朝陽がブロック)と、エースのフィニッシュが生み出された事で展開は全く分からなくなり。

その後は、町田の天皇杯準決勝(FC東京戦、延長2-0)さながらな試合絵図に。
つまりは「町田はボールを持たされて何も出来ず、江原は当時のFC東京のように、ボールを持ちたいも前進出来ず」という、お互い停滞感が膨らむ時間帯と化し。

  • 天皇杯準決勝の記事

coro5coro0.hatenablog.com

この嫌な膠着状態を破らなければ先に進めないという町田。
24分ついにその時が訪れ、最終ラインでのパスワークを経てドレシェヴィッチが左から持ち運びと、相手の消極的な姿勢を突いての前進。
そしてパスを受けた林が左奥を突く姿勢からバックパス、受けたナサンホのミドルシュートは(カンジュンヒョクに)ブロックされるも、こぼれ球がエリア内右奥へ浮かぶと予め上がっていた増山が折り返し
そして仙頭がヘディングシュートに繋ぐ、綺麗な流れでネットを揺らす事に成功します。
課題である地上での繋ぎから、先制点を叩き出しました。

 

中盤でスコアが動いた事で、膠着状態を続けたい(失点はしたくない)思惑の強い者は動揺を隠せなくなり。
江原もそんなクラブだったのか、その後ボール保持は極端に乱れ始めます。

そして27分最終ラインでマルコ・トゥチがパスミスを犯し、右サイド・アタッキングサードからの攻撃スタートとなった町田。
拾った中山雄太こそこぼされるも、イスンウォンが拾った所を仙頭が奪い返して継続、そのままドリブルに入った所を責任を取りにいったイスンウォンが反則・警告。
放送席(解説=鄭大世氏)では「プロフェッショナルファール」というニュアンスでこの反則を褒めていましたが、これにより直接FKを得た町田。
エリアからすぐ手前ながら横位置は右ハーフレーンで、クロスもありかという位置でしたが、躊躇わずに放たれた下田の直接シュート
これが右ポストを巻くような軌道でゴール右上を襲う、二度と蹴れないようなシュートとなってはGKパクチョンヒョはノーチャンスであり。
辛うじて触れたもののそれだけで、鮮やかにネットに突き刺さるに至りました。
あっという間に2点リードと、実力ならびにモチベーションの差を見せ付ける町田。

覚悟の警告付きの反則も、失点を堰き止められなかった江原、何とか気持ちを立て直し改めてポゼッションを高め攻撃に入り。
それでも反則を受けた事で中盤からのFKになると、遠目にも拘らず放り込みを選択と、そのスタイルとの乖離も見られ始め。

保持のカギはキムゴンヒの他、中盤の底であるソミヌが頼みという感じで、1失点目以降最終ラインに降りる事で安定感を保つ立ち回りを混ぜ始め。
広範囲で動き回りパスを散らす他、ボールキープにも長けているようで何度も町田の寄せを剥がすシーンが見られます。
最後はそれが命取りにもなりましたがそれは後述し、34分にパスを散らしながら、キムゴンヒに縦パスを通す事に成功したソミヌから好機を作る江原。
左のキムテウォンに展開されると、今度はクロスは選ばずに溜めたのちエリア内左へスルーパス、これに走り込みシュートに持ち込んだのはキムゴンヒ。
GK谷が前に出てのセーブで防ぐも、跳ね返りをソンジュンソクがボレーシュートで追撃、決まったかに思われましたがドレシェヴィッチが右足でのブロックで辛うじて防ぎ。

決定機を生み出した事で一気呵成といきたかった江原ですが、再び最終ラインでミスが襲い掛かり。
38分に町田のロングパスによる攻めを切り、最後方・左サイドでキープに入ったソミヌですが、ここで仙頭のボールゲインに遭うという具合に持ち過ぎの絵面となってしまい。
位置は既に右奥という町田の攻撃スタート、すかさずカットインを経てのマイナスのクロスが送られると、ナサンホが悠々と合わせシュート
ゴール左へと突き刺さり、完全にプレスの網を炸裂させての3点リードとなりました。

 

何とか意地を見せたい江原、その後は攻撃権を握るもののフィニッシュは生み出せず。
コーナーキックを量産するも、その場面でキッカー・キムテウォンのミスキックもある等、ミス塗れというイメージは最後まで付き纏います。
結局0-3のまま前半終了と相成り。
引き上げる際にブーイングが起こっても可笑しくない展開ならびにスコアですが、それを起こすべくの観衆も極少とあっては、勝利への機運を高められず。

それでもベンチでは、荒療治が必要と踏んだか。
ハーフタイムで一挙3枚替えを敢行し、シンミンハ・トゥチ・イスンウォン→パクホヨン(24番)・イギヒョク(13番)・キムカングク(18番)へと交代します。
2センターバックを揃って交代させるその采配は、所謂「怒りの3枚替え」と評されるものだったでしょうか。
一方町田も、この後半頭から相馬の投入に踏み切りナサンホと交代。

 

そうして始まった後半。
江原は前半に見せていた、ソミヌが降りて3枚と化する最終ラインをほぼ固定化。
彼が降りる事により左へ大きく開く投入されたイギヒョク、その左足のフィードでの組み立ても混ぜる事でポゼッションによる前進の補強を果たし。

それでも町田のハイプレスをいなすのは容易で無いため、GKパクチョンヒョのロングフィードも積極的に使用。
中盤省略の姿勢を見せての局面の打開を図り、ターゲットに当てる事でのキープによりリズムを掴み始め。

そして後半9分、最終ラインから左へ展開ののちイギヒョク縦パス→パクサンヒョクポストプレイ→ソンジュンソクミドルパスという、お馴染みの流れで裏を突く事に成功。
左奥を取ってから、パックパス→イギヒョククロスでニアに上がったボールをキムゴンヒが合わせ、これがループヘッドとなりゴールを襲いましたがGK谷が辛うじてセーブ。
何とか防いだのも束の間右CKで継続させる江原、キッカー・キムカングクのクロスからヘディングシュートを叩き込んだのはパクホヨン
ゴールネットを揺らし、ようやく返した1点により湧き上がるホームの江原。
しかし素早く戻る姿勢は見せたものの、笑顔でサポーターに向けハートを作るパクホヨンの姿に、「そんな事している余裕は無いだろう」とも思わされましたが。

その後も攻撃権を支配する江原。
守勢の色が強くなってきた町田は、守備に奔走した結果か15分にオセフンが脚を痛めてしまい。
担架が出動するも自力で起き上がるオセフンに対し、同胞でも容赦しないとばかりにブーイングを浴びせたサポーター。
この絵図が、この日唯一の彼らのホームらしい姿だったでしょうか。
オセフンはその後ピッチに復帰するも、18分に藤尾翔太との交代を余儀なくされました。

最終ラインの枚数を増やし、ワイドに人数を掛けながらサイドバックを前に押し出すという立ち回りを徐々に効かせていく江原。
それでもフィニッシュに辿り着くのは稀という、ポゼッションスタイルあるあるな減少と化すのは避けられず。
単純なクロスを上げようにも、町田の中央の屈強ぶりは健在でままなりません。

それでも町田サイドは、22分に今度は増山が脚を痛めてしまい。
ボールカットのために足を伸ばした所、芝に取られてしまったというアクシデント色の強い負傷と、改めてアウェイの不透明な環境で戦う過酷さを実感します。
増山もオセフンと同様、暫く耐え忍んだのちの交代という措置が取られ。

その最中に江原は、遠目からのFKでの放り込みから好機。(24分)
左サイドから対角線に上がったボールを、パクホヨン?のフリックで右奥が突かれ、入れられたクロスを中央でキムテウォンがヘディングシュート。
町田は崩されながらも、林のブロックでこれを何とか防ぎ、2点差を保ちます。
そして27分に2枚替え、増山と仙頭に代えて昌子源とミッチェル・デュークを投入。
これによりヘンリーを本来の右ウイングバックへシフトし、かつ中山・下田のドイスボランチとした3-4-2-1へと微調整。

 

守備意識を高める町田に対し、次第に得点の可能性は薄れていく江原。
29分にソンジュンソク→キムドヒョン(29番)へ交代し、彼が右SBに入る事でカンジュンヒョクが左へと回り。
38分にキムテウォン→チョヒョンテ(20番)へ交代と、随時カードを切っていくも流れを変えられず。
ただひたすらボールを握るのみとなり、逆に町田のカウンターも何度か受けるなど苦しい展開に。

その町田は、後半江原がプレスの意識を高めたのもあり、既にボール保持の攻撃に挑戦するという思惑は何処にも見られず。
相手の攻めを凌ぎ、少ないカウンターチャンスならびに攻撃機会をモノにする戦いへ完全にシフトする格好に。
38分GK谷のロングフィードからの攻めで、セカンドボールの確保が直接左奥の相馬に渡る絶好機に。
そしてカットインでエリア左角を突く相馬、得意の角度からシュートを放つと、これがゴールバー上部を掠める際どいフィニッシュとなります。

この好機を境に、江原は完全なパワープレイへとシフトしたようであり、後方からロングボールをガンガン上げるのみのサッカーへ。
40分が過ぎると、1点目を挙げたパクホヨンも前線に上がり、その体制に拍車を掛け。

しかしこうなると町田の屈強なディフェンスが冴え渡り、それを上回れない江原により閉塞感は一気に加速。
負傷離脱から復帰した岡村大八の存在もあり、天皇杯よりも強度を増した町田ディフェンスの前に無駄な抵抗と化してしまいます。
その最中の44分、町田は最後の交代を使い下田に代えてネタ・ラヴィを投入。

アディショナルタイム突入後も、ひたすらロングボールを送っては、跳ね返りを確保するもチャンスを見出せないという江原の苦悩は続き。
しかしそれに対し、悪い屈強ぶりを見せてしまうのは町田というべきか。
ここに来てボールホルダーに激しく当たる事で反則が膨らみ、FKを与えてしまうのは今後に向けて一抹の不安が過る絵図でありました。

 

結局江原はこれ以上得点を挙げられず、1-3のまま試合終了。
無事に前半のリードを保ち、町田が2勝目を挙げるに至りました。

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