ぶらりドリブルの旅

サッカー観戦(Jリーグ)好き、といってもPCの前が居住区になりつつある北海道民。

DAZN観戦 2025年J3リーグ第22節 ヴァンラーレ八戸vsガイナーレ鳥取

<両軍スタメン>

  • 八戸ホームだが、↓とは逆のコートで前半スタート。
  • 八戸は現在「八戸三社大祭山車ユニフォーム」着用の季節であり、オレンジのカラーを擁している。

八戸ベンチメンバー=谷口裕介(GK)柳下大樹 妹尾直哉 鏑木瑞生 栗澤陸 国分将 井波勇太 脇坂峻平 ピーダーセン世穏

鳥取ベンチメンバー(8人)=櫻庭立樹(GK) 田中恵太 松本太一 清水祐輔 普光院誠 伊川拓 曽我大地 富樫佑太

FC大阪と栃木シティ、新興勢力による激しい首位争いというのが、今季のJ3のこれまでの大雑把な流れ。
しかし長期戦のシーズン、常時突っ走る事は難しく。
とうとう割って入る存在が現れましたが、それは2クラブ同様ハイプレスが売りの八戸となりました。

こう書くと唐突に……という感じがしますが、目下8戦無敗・5連勝と進撃を見せる前も、6位と好位置に着けていたクラブ。
経験豊富な石﨑信弘監督の下、ハイプレスを売りとして浮上の機会を窺っていた成果がついに……といった評価が相応しいでしょうか。
しかしクラブ規模的に少数精鋭の戦いを貫く他無く、レギュラー11人は全て固定といった出場時間分布。(稲積大介が4試合・雪江悠人が2試合スタメン落ち、8節以降は全試合固定)
今節勝てば首位の可能性もあるこの試合、ホーム(プライフーズスタジアム)に迎えた相手はボール保持のスタイルである鳥取と、ハイプレスを嵌める格好の機会の予感がしますがどうなるか。

そして賽が振られた試合。
ボールを落ち着けたい側である鳥取も、流石に入りの時間ではそれはままならずに蹴り合いに挑む格好に。

右往左往するボールというお決まりの流れを経て、前半3分に河村匠のパスカットから保持に入った鳥取。
まずは左、次は右という順でショートパス攻勢での前進を試みたのち、後方からエリア内へ(丸山壮大が)ミドルパスを選択した所に走り込む小澤秀充。
トラップが収まらずも、これが右サイド奥に転がる怪我の功名となり、走り込んだ大嶋春樹がすかさずグラウンダーでクロス
そして今度は合わせきった小澤、ゴールネットを揺らし1タッチゴールで先制点を齎します。
偶然が交わっての、やや締まらない前進の流れでしたが終わり良ければ総て良しと言いたくなる小澤のゴールとなりました。

しかし、キチンとした形とはいかなかった影響は大きく、その後まるで攻撃機会を得れなくなる鳥取。
反撃体制に入った八戸がボール保持を貫くという、お互いのスタイルとは逆戦となる展開へ突入します。

こうなると、今季の保持率リーグ19位という現状、不得手な事をしなければならない八戸が不利になる危惧が予想され。
しかし上位に着けているクラブは伊達では無く、しっかりとパスを繋ぎ前進を果たしていく、相手のお株を奪う展開へと持ち込む事に成功します。

その基盤は、3バックが長く距離を取っての繋ぐ体勢。
これでプレスを掛ける側の鳥取も、常時長い距離を走る事を強いられる格好となり、選手間が広がり後方から縦パスを通す余裕を生んでしまう事に。
そして1トップの棚田遼がアンカーを切りながらのプレスが出来ない(構える体勢を取っても、しょっちゅう土井紅貴に位置をズラされてパスを通されていた)ため、隙を見せれば土井を経由して前進を許すという、危惧を常に抱えているのは鳥取の方となっていた感がありました。

八戸のビルドアップに関してもう少し述べると、3バックでの繋ぎの定番である、ウイングバックを初めから高めに位置取らせて……という事は殆ど行わず。
最終ラインからワイドでパスを受ける役割で、幅を取って相手の中央を開ける事を援ける立ち回り。
11分、最終ラインから左ワイドへ→戻しを繰り返し、2度目で受けた稲積大介がカットインで中央へ。
中野誠也のレイオフを挟んだのち右サイド裏へロングパス、走り込んだ音泉翔眞がエリア内右を突く(その後マイナスのカットインから中央へ送るも永田一真は収められず)という、WB双方の位置関係に拘りが見られる攻め。

そうした奥深さを見せる相手に気後れする鳥取、リードしているという事実は微塵も感じられず。
相手の攻めが途切れると、ゴールキックでも短く繋いで保持に入らんとしますが、自陣~中盤でのパスミスで奪われる事を繰り返す低調ぶり。
八戸は2トップがオリジナルフォーメーションながら、中野がシャドー的に振る舞い、疑似的に澤上竜二の1トップとしてマークを合わせてのハイプレスに文字通り嵌められてしまいます。
そしてボールゲインに成功すると、前に運んだのち雪崩のように押し寄せる八戸選手。
15分には自陣で雪江悠人のボールゲインから、稲積のロングパスを収めた中野を経由し、上がって来た永田→澤上と経由してエリア内でシュートチャンス。
放たれた澤上のシュートはブロックを掠めて枠外に終わるも、既にペースは完全に握っているというような八戸。

個人的には、前回観た試合(相模原vs宮崎)と同様、攻撃機会が完全に一方に偏った展開の試合を観る事となり。

  • 参考試合

coro5coro0.hatenablog.com

しかしあの試合では、ひたすら攻撃権を支配する宮崎はフィニッシュに辿り着けず、相模原の堅守もあり単調なクロス攻撃に終始する絵図が膨らむのみであり。
反面こちらは、八戸が積極的に相手のハイプレスの間を通し、中央を使う事で際どい場面を演出するという面で相違点は明らかでした。

先制点以降全く攻撃出来ない鳥取、22分に相手のコーナーキックでの攻めをGK高麗稜太が抑えて断ち切ると、その高麗は速攻を匂わせつつも真横(左)へスロー。
すると受けた温井駿斗が一気にロングパスで裏を突く事を選択し、開いて受けて溜めを作る棚田。
そして戻りから小澤がドリブルで奥へ切り込みグラウンダーでクロス(GK大西勝吾キャッチ)と、やっと2度目の攻撃機会を作るに至りました。
しかし当然ながら、中盤省略でのものとなれば(チーム特性上)好循環を得られるものでは無く、結局その後またも攻撃を浴び続ける展開に。

こうなると、前述のようにプレスも無意味に終わる以上、相模原同様に専守の体勢に入る他無い鳥取。
5-4-1で自陣を固めながら機会を窺う立ち回りに入りますが、消極的にも見える姿勢によりリードしている優位性がようやく表れ始めるのは、攻撃的なチームにとって皮肉であり。

主体的な崩しを発揮していた八戸も、これを受けてじっくりとしたポゼッションを採らざるを得ず。
つまりは全員敵陣へ進入と、見た目上は攻勢ながらも「パスを繋ぐだけ」にも映りがちなスタイルを続けるしかない展開に。
そして宮崎同様に、単純なクロス攻勢への傾倒も見られ始めます。

しかし一周回り、その単調ぶりが武器となったでしょうか。
32分の音泉のヘディングシュート(枠外)以外にフィニッシュを放てないまま時間を進ませてしまった八戸でしたが、38分にGK大西からの攻め。
エリア外でのキープで溜めを作りながら隙を窺い、澤上へ当てるロングフィードを右へと送り。
すると澤上がフリックで浮かせた後方でさらに中野がフリックと、連続フリックでエリア内右を突いた末に、走り込んだ佐藤碧のシュート。
直線的な攻めを綺麗に炸裂させ、左サイドネットに突き刺し同点に追い付きます。

同点ながら、これまでの展開上形勢逆転という他無く。
その後の八戸も、ハイプレスで相手のパスミスを誘発させ、ボールとともに攻撃権を確保する攻勢を貫きます。
しかし流石に逆転とまではいかず、最後は鳥取が中盤でのフリーキックで放り込みによる攻撃。
これがこぼれてゴールラインを割り、さらにCKか……というタイミングで前半終了が告げられます。
流れとともに運も無い鳥取といった絵図でハーフタイムに。

鳥取にとっては何処かを弄るのは必須なHT、選んだのは河村→普光院への交代。
そして小澤が左WBに入るという手法でした。

この交代策は解り易く、サイドアタッカーの小澤が攻撃時の際は常時左サイド高目に位置取り、それを支えるべく同じくサイドの選手である温井がサポートすべくの左肩上がりの全体に。
この2人の間で、投入された普光院が橋渡しのように下がり目でゲームメイクするという体勢で巻き返しが図られ。

当然相手にとって脅威なのは小澤の突破力で、警戒されるのは言うに及ばず。
それにより、むしろ逆の右サイドで、全体下がり目となりながら人数を掛けてのパスワークに活路を見出す絵図が多くなりました。
しかし八戸のハイプレスの打破には至らず、後半5分には苦し紛れのロングボールを雪江が跳ね返し、拾った佐藤が中央遠目から果敢にシュート(枠外)と依然としてボールゲインに苦しむ展開。

好機が生まれるのは、普光院が第3ボランチのように完全に降りきり、その分金浦真樹が前に上がる変節で守備網を打破した時でしょうか。
10分敵陣でサイドを振りながら必死にショートパスを繋ぎ、普光院のレイオフを挟みながら組み立てて右サイドへ。
すると同様に低目を取った三木直土からスルーパス、上がっていた金浦がハーフレーンでこれを受けると、キープを経ての中央へのパスをダイレクトでシュートしたのは普光院。
GK大西のキャッチに遭うも、上下動を交えて後一歩という攻めを演じるに至りました。

しかし相手を守勢に追い込んだと思えば、1点目のように澤上に当てるロングボールで流れごとひっくり返す八戸の手段に難儀。
長短を使いながらという八戸の攻めに、とうとう沈んでしまう時が訪れます。
15分最終ラインから地上での繋ぎを選んだ八戸、左からの前進で稲積の縦パスに永田が入れ替わるという、単純な手法ながら規制にいった大嶋が剥がされて好機に。
そして奥へ進入して入れられた低いクロスを中央で澤上がポストプレイ、走り込んで撃ちにいった佐藤に対し、防がんとしてスライディングをその足に入れてしまう普光院。
さらにこぼれた所を音泉がシュートした刹那、反則の笛が鳴ってPKの運びとなります。
これは普光院が冷静さを欠いたという他無く、佐藤に先んじてボールの前に足を入れてはいたものの、その足はボールでは無く佐藤の方向へ振ってしまっていたため反則止む無しの絵図に。
キッカーは澤上が務め(蹴る前に鳥取は棚田→富樫へと交代)、冷静にゴール右へ蹴り込んでGKの逆を取り、勝ち越しに成功します。

追う立場となった鳥取。
本腰を入れて保持の色を強めますが、当然1点のみでは八戸のプレスは止まず。
それでも、ストロングポイントである小澤のボールタッチを増やしながら、戻し→サイドチェンジという形を見せるなど現状打破の姿勢は見られ始め。
22分にもベンチが動き、東條・丸山→曽我・田中へ2枚替えと、新たな駒の投入で保持力を高めに掛かります。

必死に食らい付かんとする鳥取を尻目に、24分八戸は白井達也ロングパス→永田で、競り合いでエリア内にこぼれた所を澤上が拾う好機。
そしてレイオフを経て中野がシュート(枠外)と、数多パスを繋ぐ相手を嘲笑うかのように、手数の少なさによるフィニッシュを披露します。
すると直後にベンチも動く段階が訪れ、稲積・中野→國分・井波へと2枚替え。(國分が右WBに入り、音泉が左に回る)

優位ぶりは揺るがない八戸、27分に白井からの組み立てで再度ロングパス、左奥の音泉に繋がるも戻して作り直し。
再び白井の下にボールが回ると、今度は地上で組み立てを選び自身が持ち運びから縦パス→永田ポストプレイ→土井と経由し再度音泉へ。
そして仕掛けを選択する音泉、細かいタッチで前へ運んだ末に上げられたクロスから、マークを外した澤上がヘディングシュートを放ちゴールに突き刺します。
貴重な追加点で、勝利への機運を高める事に成功しました。

2点差となった後も、鳥取のパスワークを果敢なプレスで乱すという戦いを一貫させる八戸。
展開を変えられない鳥取、34分に最後の交代カードを使うに至ります。(金浦→清水)
すると八戸もすかさず、永田→脇坂へと交代。

37分の鳥取、自陣での繋ぎで温井→曽我のパスが遮断されかけるという相変わらずな絵図も、何とかキープを果たし。
そして温井が一気にロングパスを選択し、小澤が裏に抜け出したもののGK大西が跳び出して胸トラップでカット→クリアと防がれ。
前半22分にも見せた、温井のフィードを利用した疑似カウンターでしたがモノに出来ず。

40分にも自陣右サイドでの繋ぎで、狭い局面を剥がす事に成功して敵陣進入、普光院の持ち運びが佐藤のプレスバックに遭うも何とかキープ。
敵陣浅めでのパスワークで何処から仕掛けるかという局面で、普光院の後方からのミドルパスを選択、走り込んだ三木がエリア内右からグラウンダーでクロス。
そしてこれをヒールで合わせたのは清水と、普光院が降りるシステムによる決定機が生まれましたが、このシュートもGK大西がセーブ。
跳ね返りを富樫が詰めにいくも國分がクリアと、折角の崩しも後一歩が足りずと壁に跳ね返され。

42分に八戸も最後の交代、佐藤・澤上→鏑木・ピーダーセンへと2枚替え。
脇坂・ピーダーセンと元YS横浜組が揃って投入された八戸により、鳥取サイドの二階堂・大嶋とも相成り、JFLに降格退会となったYS横浜の現在も脳裏を過るピッチ上。

それはともかくとして、実質1トップとなったピーダーセンはファーストディフェンスが曖昧で、八戸のプレス強度を落とす結果となり。
そのため鏑木が実質ボランチのような立ち位置になり、リトリートの色が強まったのが仇となったでしょうか。
45分、右サイドでの前進から普光院を経由し中央→左へ展開、奥を取ってのキープを経て戻し→温井のクロス
これをニアに入り込んだ富樫が合わせヘディングシュートゴール左へと突き刺して1点を返します。
残りはほぼアディショナルタイムのみながら、まだ判らないという展開に持ち込む鳥取。

そのAT、石﨑監督のピーダーセンへの激が飛びながらも、効果的なファーストディフェンスが出来ない八戸を他所にボールを握り続ける鳥取という絵図が続き。
しかし実質5-4-1でのリトリートを崩すには決定的に時間が足りず。

最後方の二階堂も敵陣中央浅めに進入してのボールキープと、押し込み続けて何とか隙を窺う鳥取。
左サイドの小澤が細かな繋ぎからカットインに入るも、隙はやはり見えずに逆サイドへ展開し、田中が右からクロス。
合わせにいったのはこの流れを経て中に入り込んだ小澤でしたが、ヘッドはミート出来ずその場にこぼれ、そこを富樫が詰めにいくもクリアされ撃てず。
結局これが最後の好機となり、同時に後1点に泣く事となりました。

3-2で勝利に辿り着いた八戸、この結果により堂々の首位浮上となり。
リーグ最少失点(この日で15点)の守備は崩されたというようなスコアですが、逆にこれを機に一層堅くなり、そのまま突っ走るという事は起こるでしょうか。

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